日本が強豪国に勝利した要因を分析するには、陸上男子100mに例えよ!!

今回のW杯での日本代表の躍進の原因は、陸上の男子100mに例えると分かりやすいです。
どういうこと!?と思われるかと思いますが、まあ、聞いてください。

ウサイン・ボルト氏が世界記録の9秒58をたたきだしたのは2009年、つまり今から13年前です。
日本男子100mの記録はというと、1998年に10秒00が出たものの、なかなか10秒の壁を超えることが出来ませんでした。
しかし、2017年ついに10秒の壁を越えて9秒98という記録が出ました。
そこからは10秒の壁を超える選手が何人か現れ、現在は4人の9秒台選手が出るまでになり、着実に全体的なレベルが上がっています。
それでもオリンピック男子100mの決勝に到達できる日本人選手は今でも存在しません。

ただし、日本全体のレベルが上がるにつれて何が起こったかというと、男子400mリレーでメダルを取れるようになったのです。
過去オリンピックで2度の銀メダルを獲得しています。
メダルを取れた理由としては、リレーでは個々のレベルはモチロン、バトンリレーの技術など選手同士の連携も重要になるのですが、日本ほどバトンリレーの技術が高い国はありません。
なので、オリンピック男子100mでは個人で一人も決勝まで進んだことがない日本が、リレーならば世界と対等以上に勝負できることが出来たのです!

ここまで読んで、もう男子100mの日本の現状は分かったよ!と読むのがめんどくさくなったあなた、ここからがどう100mに例えるのか書いていきますので最後まで見ていてください。
これは、そのままサッカー日本代表にも当てはまるのです。

つまり、ウサイン・ボルト氏の世界記録をサッカーの世界に例えると、世界のトップレベルの技術はそれほど大きく進化していない、ということです。
実際、現在も世界最高の選手と呼ばれるのはメッシやC・ロナウドであり、彼らはここ10年ほどトップに君臨し続けています。
つまり彼らを超える選手はまだ現れておらず、世界最高レベルはこの10年それほど大きく上がっていないのです。

対して日本代表チームはどうでしょう。
2014年のブラジルW杯と2022年のカタールW杯のメンバーを比べてみましょう。
ブラジルW杯では23人、カタールW杯では26人の選手が選ばれています。
そのうち、ブラジルW杯では海外組が12人、たいしてカタールW杯では20人が海外組となっています。
そう、ブラジルW杯では約52%だったのに比べ、カタールW杯では約77%が海外組です。
これだけでも、日本のレベルが世界に通用できるほどに上がってきていることが分かります。

ただし、日本の陸上選手が未だ男子100m決勝に出られないのと同様に、サッカーにおいても海外のビッグクラブでレギュラーを張って世界トップレベルと認められている選手がいるかというと、まだまだそのレベルまでは達していません。
そう、個人のレベルに関しては世界トップに及ばないというのが、悔しいですが現実です。

ならば、どうしてドイツ・スペインという世界でもトップレベルの強豪に勝つことが出来たのか?
その秘密が男子400mリレーにあるのです!
今回日本代表は、ある意味攻めることを捨て、全員で守ることを選択しました。
粘り強く守り続けることで、一瞬のカウンターを狙う作戦です。
日本代表の個人レベルは世界トップとまではいかなくとも、世界で戦えるだけのレベルには到達しているのです。
そのレベルの選手たちが一致団結して守りを固めた場合、さすがの世界トップレベルの強豪といえども、そう簡単に崩すことは出来ません。
そして全員が意思を統一したことにより、攻めでも相手の一瞬のスキを突き、全員が連動することで強豪国相手にも点が取れたのです!

そう、まさに男子400mリレーの如く、世界レベルで戦えるまでに成長した選手たちが一致団結したことで、強豪国にも勝てるぐらいの力を発揮しました!!
個のレベルアップと、W杯で勝利するために特化した戦術がうまく組み合わさり、予選グループ1位突破という素晴らしい結果を残すことが出来たのです!!

日本の快進撃の要因を僕なりに解析していましたがいかがだったでしょうか?
男子100mに例えたのはなかなか上手くなかったですか?そう思っているのは僕だけですかねw
なにはともあれ、選手一人一人がこの4年間でさらにレベルアップしたことで成し遂げた結果であり、素晴らしいパフォーマンスでした!

ただ、それでも今回もベスト16の壁を超えることが出来ませんでした・・・。
次回は、日本の弱点と課題について書いていきたいと思います。